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雑草の状態と駆除の方法

雑草も、同じ種類が集まって生育する群生している場合、単一の個体が生育する単生の場合、他の植物の間に入って育成する場合があります。

雑草の駆除の点から考えると、群生している場合の方が、物理的方法でも薬剤による方法でも対処が比較的楽になります。草刈り機の場合、なにも考えずに一挙に駆除できますし、除草剤の場合も非選択性の薬剤で確実に駆除が出来ます。やっかいなのは、雑草とそうでないものが共存している場合で、実際の庭では、多かれ少なかれこの状態の場合が多いと思います。

芝生に生えた雑草は、手で抜こうとすれば抜けないことはありませんが、面積が広くなると、とても負荷の大きな作業になり現実問題としては非常に難しい事になります。
この様に多様な雑草の駆除は、ケースバイケースでの対応となります。アクション別に、駆除方法について説明します。

アクション別駆除方法


植物は、その発生から枯死までの固有のライフサイクルがあります。除草作業を行うのに適した時期は、発芽~開花の間の繁殖期では無い時期になります。
前頁で説明したように、1年で枯死するものもあれば、何年にも渡り、生き続けるもの、繁殖手段が種子以外にも地下茎や匍匐茎でも繁殖できるもの等々、様々です、その個々の植物の特性をよく理解したうえで、最も適切な時期に適切な対応をするようにしましょう。

『雑草のライフサイクル』(模式図)
 


除草をする場合、大きく分けて、人手・草刈り機等による物理的な方法と、除草剤を用いる科学的な方法があります。
その場合の前提として、除草剤を使ってもOKなのか、使いたくないのかで対応は大きく異なってきます。
どんな対応になるかの例を、下のフローに示します。



物理的方法


  
手段対処方法メリットデメリット
草刈り機とりあえず、目の前の雑草を取り除きたい場合、物理的に草刈りをすることになります。即除草可能、環境汚染の心配無し(音はうるさい)肉体的労働量が大きい。そのままだと再生する。回転刃や飛び石に注意。
草抜き(手、器具使用)極狭い範囲、スポット的な除草の場合、完全手作業で行います。貴重な植物の周辺等は、手作業しかできないこともありますね。即除草可能、環境汚染の心配無し肉体的労働量が大きい。そのままだと再生する。
焼く(バーナー使用)焼く場合、入念に火災の対策等が必須条件で、個人の庭ではかなり注意が必要。枯死した大量の雑草を一度に処理する場合などにも利用されます。即除草可能、環境汚染の心配無し。こぼれた種子も処理できる。火災の対応が大変。家庭より農地に向く。
加熱(熱湯利用)限定的に、薬剤等を用いないで、除草および表面の殺菌等を行いたいときに使える方法です。環境汚染の心配無し。ある程度こぼれた種子も処理できる。コストパフォーマンスが良くない。熱湯なので危険が伴う。殺菌により、生物バランスが崩れる場合もある。
日光遮断:除草シート、固まる土除草後の再生防止策。植物の生育に必要な、日光を遮断して、生育を抑制する。かなり長期にわたり、雑草を抑制できる。場合によりコストが大きい。

化学的方法

除草剤によるもの。

◇土壌処理のタイプ(粒状・液状)
土壌に撒いてそれが、雨水等により土壌に浸透し、植物の根から吸収され、枯らすもの。
->長期間効き目が持続、広範囲に影響を及ぼすものが多い。使用するときは、十分、検討が必要。

 

◇葉・茎から吸収されるタイプ(液状、希釈タイプ):ラウンドアップ系
液を直接、植物の葉・茎等に塗布したり、散布したりして、そこから植物全体に吸収拡散され枯らすもの。
->塗った植物のみ有効、土壌では生分解され、根からは吸収されない。比較的、手軽に利用できる。


各薬剤は、特定の植物に有効なもの(選択性除草剤)と、すべての植物に有効なもの(非選択性)のものがあります。

※薬剤による除草で案外見逃されるのは、除草剤の使用時期です、雑草の種類のページでも分かるように、その雑草ごとの生長時期があり、その時期に薬剤散布等を行うのが最も効果的です。逆に、あまり成長しない、真冬の時期に薬剤散布するのは効果が少なくお勧めできません。

生物利用による方法(参考)

農業の場合ですが
カルガモによる、水田の除草
荒れ地の、ヤギ・羊・牛等の放牧による除草。

環境別の駆除方法の違い

基本的に、雑草の駆除は、スケールの如何に関わらず、そんなに変わるのもでもありませんが、ここでは、環境別の対処方法について、若干の説明をしてみます。

下図の様な、標準的な家屋(一戸建て、庭付き)の各箇所での、除草のありかた(意味合い)が異なります。
   
場所    対処方法
有用植物と雑草が混成しており、面積的にも広くもっとも除草作業が難しいと思われる箇所。手作業の物理的除草ならば、草刈り機等も使用可能。除草剤は、非選択性の根から吸収させ枯らすタイプより、選択性の葉茎吸収タイプの方が無難。
車庫ここは、ほとんど有用な植物は無い場合が多いので、除草作業はある程度機械的に出来る場所。周囲の環境に注意しながら、非選択性の除草剤でも使用は可能。できれば、除草後に、除草シート+カバー土や、固まる土などで処理すれば、後々のメンテナンスが大変楽になる
玄関周辺玄関アプローチは基本的に、人の歩く範囲は、除草シートや固まる土、レンガ・・・等の後々メンテナンスが楽な状態にしておきたい。周辺に有用植物がある場合は、庭と同じような対処にする。
側溝側溝、犬走り等も、駐車場と同じく除草シートや固まる土等で雑草の生えない状態を、メンテナンスフリーで実現したい。
  


範囲が比較的狭い場合(ベランダ等でのプランター・コンテナ等による植物栽培の場合)

 
◆対応策◆
手作業による駆除、ラウンドアップ系の薬剤(ハケ塗り等)
◆予防策◆
除去するときの、種子の飛散防止等に気を付ける。

範囲が比較的狭い庭、周辺の場合

◆対応策◆
手作業による駆除、ラウンドアップ系の薬剤(ハケ塗り等)
手持ち草刈りツールの利用
◆予防策◆
除去するときの、種子の飛散防止等に気を付ける。
定期的な、除草作業
除草シート・固まる土等での永続的な雑草防止策
 

一般的な庭・家屋周辺場合

◆対応策◆
ラウンドアップ系の薬剤(散布等)
土壌処理系の除草剤の利用
手持ち草刈りツール、通常の草刈り機等の利用
◆予防策◆
除去するときの、種子の飛散防止等に気を付ける。
定期的な、除草作業
除草シート・固まる土等での永続的な雑草防止策

広い庭・家屋周辺場合

◆対応策◆
土壌処理系の除草剤の利用
ラウンドアップ系の薬剤(散布等)の利用
通常の草刈り機・自走式ツール等の利用
◆予防策◆
バーナー利用で、種子等も不活性化
定期的な、除草作業、薬剤散布
除草シート・固まる土等での永続的な雑草防止策